ゆるSEの日常

介護士から社内SEとして勤務する、30代社会人の日常

介護は汚い職業なのか

介護職に関するイメージを表す言葉として

3Kと呼ばれる言葉があると思います。

この3KのKにはいろんな解釈がありますが、

一般的には”きつい”、”汚い”、”給料が安い”の略語とされています。

今回はこれらの中から介護職は”汚い”のか??

という点について解説を進めていきます。

 

結論から申しますと、介護職はおむつ交換や利用者である高齢者のした排泄の処理など

一般的に汚いと考えられる業務を一日のシフトの中で何度も行います。

もちろん元々ゴミ処理場や清掃関係の職業に就いていてこうした汚い・臭いものを処理することに手慣れた方や、大雑把な性格で「はじめは臭いは気になるが、すぐ慣れるだろう」と感じる方もいるでしょう。

しかしこういった稀なケースを除いて、

汚い・臭いものを処理する仕事は他職ではほとんどないと思いますし、

だからこそそんな仕事をやっていけるのか迷ってしまう気持ちは決して歪めません。

 

 

その前提で言いますね!!

この”汚い”、”臭い”業務に関して9割方の従業員が慣れていくものだと。

その根拠を今からお話ししていきます。

 

  1. 脳が慣れる
  2. 業務が効率化していく
  3. 転職をする際に、臭いが優先された理由として退職をする者がほとんどいない

 

まず、1.脳が慣れるについて説明します。

この文章を読んだとき、え?匂いを嗅いだときって嗅覚が反応するんじゃないの?

と思われた方も多いかと思います。

確かに、初めて介護に関わる者にとって

おむつ交換をする際にその匂いが気になってその業務自体に影響があることが多いと思います。だけど、嗅覚という五感を感知しているのは大脳辺縁系の嗅覚野という場所。

更に、ここを通して感情を処理する部位(扁桃体)や記憶に関する部位(海馬)などに

嗅覚情報が伝達され、汚いからこの仕事はやりたくないという判断を脳全体で下すのです。

最終的に意思決定を下す前頭前野でこの仕事を続けるかどうかを判断するのですが、

嗅覚が敏感な方ほど最初は「こんな臭い仕事はいやだ」と思ってしまうことも多いはずです。

 

しかし、脳には”慣れる”という性質があります。

例えば心理学出は”順化”という言葉があります。

順化(じゅんか) - 心理学上の概念。繰り返し提示される刺激によって同種の刺激に対する反応が次第に見られなくなっていく現象。(Wikipedia参照)

 

 

そう、臭い刺激も必ず慣れていくのです。

しかも、その職で生活の基盤を支えていれば当然臭いごときに負けてなどいられません。

大切な利用者様の生活はもちろん、「自分自身や家族の生活をこの職業を通して支えているんだ!」そういった強い想いがあなたの前頭葉を活性化させ、順化を促進していくでしょう。

なので、必ず慣れます。(私の周りで2年以上同職を全うした者から、臭いというネガティブな発言を聞くことはほとんどありません)

 

 

2.業務が効率化していく

これは1であげた”順化”の考え方と似ているのかもしれません。

なぜなら、その職に勤め続けていくうちにあなたは必ず介護の業務に慣れます。

幼い子が自転車が乗れる道のりと同じで、身体で覚えた記憶は並大抵のことでは消えないからです。そうすると、勤めはじめよりも圧倒的に短時間でおむつ交換を終えることができるようになるはずです。

そうすると、くさい臭いに携わる時間も減っていきます。それに伴い、こんな業務がいつまで続くのだろうという精神的な負担も格段に減らしていけると思います。

例えば、私の経験則では

初めおむつ交換に30分程度時間をかけていた初心者がいました。しかし、彼女も今では同等の業務が5分でできるように。6分の1!これは凄くないですか?

やはり、人は慣れる者なんです。やればやるほど自分の力になる。それも、身体で覚えてしまえるから覚えたものは決して抜けません。

やればやるだけ自分の力になり、仕事にかかる労力も減っていく。

そういった生活ベースでの成長ができるのが介護のお仕事なんです!

 

 

3.転職をする際に、臭いが優先された理由として退職をする者がほとんどいない

これは説明するまでもなかったですが(笑)、本当そのままです。

サイトなどで公表されている離職アンケートでもほとんどありませんし、事業所から退職理由に関する情報共有を受けることがあるのですが、そこでも一度も聞かされていません。

やはり、慣れるのですね!

 

ちなみに、やはり介護の離職率の高さとして人間関係が一番に挙げられていますが

これは正直、どの業界でも同じだと思います。

そもそも人間同士で情報共有や意見の出し合いをして成果を出していくのが社会人です。

ほとんどの職業の方は人間関係なしには仕事はできませんから。

 

これは現場により違うとは思いますが、自分の勤め先は人柄が良い方が多いです。

やはり人で人を支える職業なので、本当に心が優しい方でないとこの仕事はできないんだと思います。逆に言えば、そんな環境に入って仕事ができる。なんて素敵なことなんでしょうか!

 

万一耐えられないような人間関係にまで悪化してしまったとしましょう。

 

しかし、介護のスキルは一度身についてしまえばこっちのもんです。

また、どこの事業所も人手が足りていませんから、一定のスキルを一つの職場で身につけることができれば、あとは転職し放題です。(もちろん転職回数により経歴に支障がでることはあります)要は、介護職は一生モノのスキルが身につきやすい職業なので、職に困ることはこの先ずっとありません。今現在コロナウイルスの影響で、飲食や物流、ITなどの業界が困難に瀕していますが、この職業は決して低迷することはないのです。

 

その為自分は、新卒からこの仕事に就いてよかったなと心から感じております。

一生働ける職業、それが介護職なんです。